煮込み車掌
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その列車が始発駅を出発すると各車両を車掌が周り始める。
「乗り越しのお客様はいらっしゃいませんか」
「車掌さん、俺乗り越し」
すると車掌はこう答える。
「はい、110円です。現金ですか?モノですか?」
「ネギで頼むよ」
「お肉、足りてる?」
「大根の葉っぱでもいいかな」
そんな言葉で車内は騒然となる。ほとんどの乗客が乗り越しなのだ。
車両を周り終わった車掌は車掌室に戻り、集めた具材を大鍋に投げ込む。
10分後、様々な具材を煮込んだ鍋をキャスターに乗せ、また車両に戻る。
「おつりを受け取っていない方はいらっしゃいませんか」
そうしてモノで払った乗客は煮込み鍋から自分のお釣り分をよそって食べるのである。
「今日はうどんで払った人いないのか、残念」
「この前はA5ランクの和牛が入っててさ、そりゃあ旨かったよ」
などと言いながら。
月に一度のお客様感謝デーでの出来事である。
「乗り越しのお客様はいらっしゃいませんか」
「車掌さん、俺乗り越し」
すると車掌はこう答える。
「はい、110円です。現金ですか?モノですか?」
「ネギで頼むよ」
「お肉、足りてる?」
「大根の葉っぱでもいいかな」
そんな言葉で車内は騒然となる。ほとんどの乗客が乗り越しなのだ。
車両を周り終わった車掌は車掌室に戻り、集めた具材を大鍋に投げ込む。
10分後、様々な具材を煮込んだ鍋をキャスターに乗せ、また車両に戻る。
「おつりを受け取っていない方はいらっしゃいませんか」
そうしてモノで払った乗客は煮込み鍋から自分のお釣り分をよそって食べるのである。
「今日はうどんで払った人いないのか、残念」
「この前はA5ランクの和牛が入っててさ、そりゃあ旨かったよ」
などと言いながら。
月に一度のお客様感謝デーでの出来事である。
ファンタジー
公開:18/02/18 17:28
更新:18/02/18 19:07
更新:18/02/18 19:07
スクー
文章を書くのが大好きです。
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