ジェット気流デッキブラシ
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「空を飛びたい」
一度は絶対思う理想を毎日のように口にする彼女に、パイロットになれば? と提案したのはいつの頃だったか。
それから彼女は猛勉強。おかげさまですっかり私より賢くなってしまった。
「飛ぶ準備ができた」
そう言って彼女は学校の屋上に私を連れていく。見ててと笑って取り出したのはゴツいターボ搭載デッキブラシ。みどりの毛先が目にも鮮やかだ。
「いいね」
「だしょ?」
彼女は笑って屋上から飛んだ。
ターボのジェット噴射のようなものがものすごい轟音をたてて暴れだす。砂が目に入ってぎゅっと瞼を閉じた。
10秒経って、目を開ける。
「成功じゃん」
隣で笑う彼女とハイタッチ。
交わる予定だった手が、すかっと空を切って二人でゲラゲラ笑った。
そして私はちょっぴり泣いた。
一度は絶対思う理想を毎日のように口にする彼女に、パイロットになれば? と提案したのはいつの頃だったか。
それから彼女は猛勉強。おかげさまですっかり私より賢くなってしまった。
「飛ぶ準備ができた」
そう言って彼女は学校の屋上に私を連れていく。見ててと笑って取り出したのはゴツいターボ搭載デッキブラシ。みどりの毛先が目にも鮮やかだ。
「いいね」
「だしょ?」
彼女は笑って屋上から飛んだ。
ターボのジェット噴射のようなものがものすごい轟音をたてて暴れだす。砂が目に入ってぎゅっと瞼を閉じた。
10秒経って、目を開ける。
「成功じゃん」
隣で笑う彼女とハイタッチ。
交わる予定だった手が、すかっと空を切って二人でゲラゲラ笑った。
そして私はちょっぴり泣いた。
青春
公開:18/02/18 22:50
思い付いたものを適当に。
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