消 "臭" 剤
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                                下駄箱の上に知らない消臭剤があった。おかしい。昨日までは確かに無かったので絶対におかしい。しかし上着についた煙草のにおいが気になったのでとりあえずふりかけて家を出た。
会社に着くと総務のマリちゃんに声をかけられた。
「斎藤さん、そのネクタイいいですね」
「そう?」
「はい。いつも古臭いネクタイなのに」
デスクに座ろうとすると課長に、
「斎藤、この書類急ぎで頼む」
「わかりました」
「・・・珍しいな」
「何がです?」
「君はいつも私の指示に面倒臭そうな返事をするから」
机に戻ると早速同期の柴田に声を掛けた。
「すまん、この書類仕上げるの手伝ってくれ」
「おう。お前はいつも一人で抱え込むから水臭いなって思ってたんだ。頼ってくれて嬉しいよ」
仕事が早く終わったので柴田と呑みに行き、いい気分になった。
家に着く頃には、あの消臭剤に感じていた胡散臭い印象はすっかり消えていた。
    会社に着くと総務のマリちゃんに声をかけられた。
「斎藤さん、そのネクタイいいですね」
「そう?」
「はい。いつも古臭いネクタイなのに」
デスクに座ろうとすると課長に、
「斎藤、この書類急ぎで頼む」
「わかりました」
「・・・珍しいな」
「何がです?」
「君はいつも私の指示に面倒臭そうな返事をするから」
机に戻ると早速同期の柴田に声を掛けた。
「すまん、この書類仕上げるの手伝ってくれ」
「おう。お前はいつも一人で抱え込むから水臭いなって思ってたんだ。頼ってくれて嬉しいよ」
仕事が早く終わったので柴田と呑みに行き、いい気分になった。
家に着く頃には、あの消臭剤に感じていた胡散臭い印象はすっかり消えていた。
        SF
      
      公開:18/02/18 02:55      
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                           中谷直樹
中谷直樹