AとO

「血液型で性格区分するのは日本くらいなんだって。知ってた？」
下校時間。僕は告白のタイミングを狙いながら、マミちゃんの言葉に首を横に振る。
(今日も結局出来ずに終わりそうだけど)
「なぜそんな診断が出来たかというと、ある大学教授が発案したらしくて。でも、これって、簡単な占いみたいなものなの。性格診断の情報が欲しい人は、自分もしくは他人の事で悩んでいて、誰かの助言が欲しい人でしょ」
「うん」
「だから、比較的悪い事を言われても素直に聞き入れて貰える可能性が高い。ただ、多くの人の支持を集めるなら、割合が多いもの、つまりA型を褒めておくのがスムーズに浸透し易いってわけ。非常にシンプルな心理的誘導だと思わない？」
「へぇ、マミちゃん博識だなぁ」
「違うわよ、昨日必死で憶えたの」
「は？何で？」
「もう！血液型占いの結果を信じて、いつまでも告白してこない男子に痺れを切らしたからよ」
「あっ！」