花を贈る

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郵便受けを開けると花が一輪入っていた。
その花は市から住民に向けてランダムに
配布されているもので、
受け取った人は決められた期日まで花として
生きる義務がある。
花として生きる。
つまり花として人に贈られたり花として
飾られたりとにかく花として扱われる。
花になるのは一度だけ。
期間中に一度でも花になればそれ以上は
もう花にならなくていい。
花になって次の日の朝、いつものように
駅へと歩く道すがら背後から声をかけられた。
声をかけてきたのは背広姿の男だった。
そのまま男と一緒に駅に向かい電車に
乗り込むと男の会社に同行する。
男は会社で上司に声を掛け花を差し出した。
今日で定年退職らしい。上司は男からの花に
少し驚いた顔をしたが礼を言うと受け取った。
定時後上司は部下達に最後の挨拶をして花を連れて
会社を出る。
花は上司の昔の恋人だった。
花と上司は電車に乗ってそれから帰って来なかった。
公開:18/02/17 20:24

たかはし

とにかくコミュ障ですが何かコメント頂けたら
お返事はいたします。

プチコン花の15編のひとつに
選んで頂きました。
 

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