蟻の憩い場

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ここは俺たち蟻の憩い場「喫茶甘味処 蟻の穴」
俺がマスター。
早朝から働き始めた蟻たちがそろそろ疲れた顎や脚を休めにくる時間だ。
あまり知られてないようだが蟻たちは朝と昼の2交替で働く。
どれも同じに見えるって?失礼な。
繁忙期になると夜勤もある。
ホントご苦労様。

「いらっしゃいませ〜」
元気な声はバイトのアントちゃん。看板娘だ。

「首尾はどうだった」
「まあまあだな、昨日のお祭の溢れ物がまだまだ落ちてやがる」
調査隊のモハと運搬隊のメドの会話だ。

いきなり警報が鳴り響いた。
「ヤベえ、雨だ」
「急げ!ハッチ締めろ」
バタバタと蟻たちは防雨区画へ急ぐ。
雨は我々にとって死活問題。
頑張れよ。

えっ?俺も動けって。
俺は頭脳派だから体を動かすのが嫌いなんだよ。
蟻らしくない?
失礼な。

「マスター、何ブツブツ言ってるんですか?早く逃げないと水が来ますよ」

教えてくれて蟻がとう。
ファンタジー
公開:18/02/15 21:28
更新:18/02/16 18:03

Kato( 愛知県 )

ヘルシェイク矢野のことを考えてたりします
でも生粋の秦佐和子さん推しです

名作絵画ショートショートコンテスト
「探し物は北オーストリアのどこかに…」入選

働きたい会社ショートショートコンテスト
「チェアー効果」入選

ありがとうございます

 

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