第10話「葵のチョコは誰のもの」

0
223

「18時に太田組合の会長が訪問されるので営業部は心のこもったもてなしをするように」という、無茶な社長命令があった。日頃から口うるさい会長に辟易していた上司は、この大役を葵に丸投げした。
「今日ならチョコレートくらい持ってるよね」
どう見てもチョコを渡さなかったことを根に持っている。けれど、彼氏の匠に渡すための、アルファベットチョコを「AOI♡TAKUMI」と組み合わせものを渡せるわけがない。葵は頭を抱えた。匠との待ち合わせも迫っている。

ベッドの上でも匠はスネていた。1時間遅刻した挙句チョコ無しでは無理もないが、窮地を脱したことを褒める余裕くらいないものか、と思いながら葵は今日のことを説明した。
「アルファベットを入れ替えたのよ、OTA♡KUMIAIに」
「ハートくらい残してくれてもよかったのに」
口を尖らせる匠をキスで黙らせて、男ってどうしてこんなに器が小さいんだろう、と葵は呆れた。
青春
公開:18/02/14 23:12
更新:18/02/21 10:56
三姉妹 バレンタイン

射矢らた( 大阪南船場 )

2018年2月8日SSG登録
Twitter:https://mobile.twitter.com/iruya_rata


<三姉妹シリーズ>
親もとを離れて暮らす三姉妹の暮らしを
ショートショートで綴ります。
長女・葵(あおい) 社会人
次女・茜(あかね) 高校生
三女・翠(みどり) 小学生

そのほか1話モノも書きます!
 

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容