高飛車(たかびしゃ)
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人知れず高美濃さんに振られたその日の放課後、僕は悪友谷口の家で、彼から教わったばかりの将棋を二人で指していた。
「言ったろ、高飛車はよくないって」
谷口が僕に助言する。高飛車とは飛車(ひしゃ)という一番強い駒を、高い位置において攻める方法のことで、“高飛車”という言葉もここからきている。
「ってるけど、これで行きたいんだ」
「いや、別に将棋なんて好きに指せばいんだけどさ。てか高飛車ってとよ、高美濃を思い出すの俺だけか?」
「だろ」
谷口に全部話そうかどうか迷いながら僕は対局を続けた。でも結局は言わなかった。僕は飛車を高くしたままいつも以上に真剣に闘った。
「ほら、高飛車とかにすっから」
「でも、さっきので最後だから」
「最後?」
「別に、意味はないけど」
「まあ、割と強かったけどな」
その日、僕らはもう何局か対局した。
因みに、結局という言葉も、将棋の用語からきているそうだ。
「言ったろ、高飛車はよくないって」
谷口が僕に助言する。高飛車とは飛車(ひしゃ)という一番強い駒を、高い位置において攻める方法のことで、“高飛車”という言葉もここからきている。
「ってるけど、これで行きたいんだ」
「いや、別に将棋なんて好きに指せばいんだけどさ。てか高飛車ってとよ、高美濃を思い出すの俺だけか?」
「だろ」
谷口に全部話そうかどうか迷いながら僕は対局を続けた。でも結局は言わなかった。僕は飛車を高くしたままいつも以上に真剣に闘った。
「ほら、高飛車とかにすっから」
「でも、さっきので最後だから」
「最後?」
「別に、意味はないけど」
「まあ、割と強かったけどな」
その日、僕らはもう何局か対局した。
因みに、結局という言葉も、将棋の用語からきているそうだ。
青春
公開:18/02/14 22:47
更新:18/02/14 23:20
更新:18/02/14 23:20
ショートショート十番勝負
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