銃を拾った少年

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20XX 年日本にも銃社会が浸透し、各地で飢餓による紛争が絶えなかった。公園からは子供が消え、河川敷には家を失った人で溢れていた。

紛争地域から難を逃れるため、県外へと国道を下っていた所、道脇に銃が落ちていた。拾おうと歩み寄ると前から来た少年に先に拾われてしまった。

「坊や、危ないよ」俺は手を差し伸べた。

「これは僕が拾ったんだい。僕の物だ」

「君はそれが何か知ってるのか?」

「知らないよ。でも役に立つものだとはわかる」

「君にそれは必要はない。俺に渡すんだ」

「あやしいよおじさん、こっちに寄らないで」

少年は奇妙にも引き金に手をかけ、銃口をこちらへ向けてくる。

「ここを押したら、どうなるのかな?」

出し抜かれたと気付いた時、俺は少年の奴隷になっていた。
SF
公開:18/02/14 17:27

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