本 may チョコ
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本を読むことで、食事と同じカロリーを得られ、内容によってさまざまな味の違いも分かる人間がいるという。身近な人で言うと、隣の席の金澤さんがそうらしい。
バレンタインの今日、クラスの女子たちが男子に義理チョコを配っている。味やら見栄えやらで水面下での争いは起きているようだが、本命チョコが貰えない僕には嬉しい話だ。
金澤さんは戦線から引いたところにいるらしく、静かに読書していた。長い黒髪がきれいだな、と何となく見ていると彼女は突然本を閉じる。
「よし、これがいいわ。」
横目で見ている僕に金澤さんが一冊の文庫本を差し出す。
「この本甘くて美味しいの。一番チョコレートに近いと思う」
「え!」
「君、いつもこっち見てるでしょ」
金澤さんは意地悪そうに笑った。どうやら僕の想いはバレバレだったらしい…。
金澤さんの味覚を僕が知ることはできないが、せめて美味しいチョコを食べながら、この本を読もうと思う。
バレンタインの今日、クラスの女子たちが男子に義理チョコを配っている。味やら見栄えやらで水面下での争いは起きているようだが、本命チョコが貰えない僕には嬉しい話だ。
金澤さんは戦線から引いたところにいるらしく、静かに読書していた。長い黒髪がきれいだな、と何となく見ていると彼女は突然本を閉じる。
「よし、これがいいわ。」
横目で見ている僕に金澤さんが一冊の文庫本を差し出す。
「この本甘くて美味しいの。一番チョコレートに近いと思う」
「え!」
「君、いつもこっち見てるでしょ」
金澤さんは意地悪そうに笑った。どうやら僕の想いはバレバレだったらしい…。
金澤さんの味覚を僕が知ることはできないが、せめて美味しいチョコを食べながら、この本を読もうと思う。
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公開:18/02/14 17:23
更新:18/02/14 17:41
更新:18/02/14 17:41
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普段は漫画をかいたりしています。
ツイッター@kyuimuni
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