かさねちゃん

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「誰?この子」
玄関口で同僚は驚く。無理もない。独身宅に小さな女の子がいるのだから。
「見えるのか?」
「俺に見せたいものって…」
こいつは霊感が強いという噂だった。
「どう思う?悪霊か?」

この子が現れたのは半月ほど前。
夜道で後をついて来たのだ。
道を変え撒こうとしたが無駄だった。

江戸風の着物に黒髪おかっぱ。どこか高貴な雰囲気を漂わせている。有名な公家や高名な武家の娘さんだったのかもしれない。
名を、かさね、という。
「名前も可愛いじゃん」
かさねは無口だ。ほとんど「ん…」しか言わない。
この時も「ん…」と俯きモジモジと照れていた。
「精霊だな」
幽霊じゃないのか?
「花を育ててるか?」
ベランダの鉢植えのピンクの撫子が見頃だ。
「花精霊か…道を教えてくれているらしい」
「ん…」かさねは頷いた。
どー言うことだ?
「お前、事故で死ぬところだったのをこの子に助けられてるんだよ」
ファンタジー
公開:18/02/15 17:07

Kato( 愛知県 )

ヘルシェイク矢野のことを考えてたりします
でも生粋の秦佐和子さん推しです

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ありがとうございます

 

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