夢のマイホーム
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私は小さい頃からこの家に住むと決めていた。どんな大きなマンションを見ても、おしゃれな家を見ても私の決意は揺らがなかった。初めてマイホームに足を踏み入れたときの感動を私は忘れることがないだろう。暑い日は風通しがよいので心地良い。寒い日は熱を逃がさないので暖かい。朝、太陽光が部屋に射して目が覚める。これがどれほど気持ち良いことか。自然豊かな土地に暮らしているので夏はカエルの鳴き声が、秋には鈴虫の合唱が聞こえてくる。四季の変化を家に居ながら楽しめるのだ。決して広くはないが、私には十分。少し狭いぐらいが掃除も楽だし落ち着いて過ごすことができる。お隣さんとの関係も良好で、これ以上ないくらい充実した暮らしをしている。
付き合って1ヶ月の彼女を家に招待した。今度の彼女こそ私の家を理解してくれると信じている。彼女は目を大きく開いて言った。
「あなたは段ボールに住んでいるの?」
……今回もだめだった。
付き合って1ヶ月の彼女を家に招待した。今度の彼女こそ私の家を理解してくれると信じている。彼女は目を大きく開いて言った。
「あなたは段ボールに住んでいるの?」
……今回もだめだった。
その他
公開:18/02/13 19:00
ショートショート10番勝負
だんごむしのだんごちゃん。まるくなって空を見つげる。
ツイッター @Fdng7
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