棘のある女

私は窓際族。当然、デスクは日の良く当たる窓際に。そんな私を見てみんなは今日もツンツンしているねと言う。そんなに私は怒りっぽいのだろうか。
上司は言う、綺麗な物には棘があるものだよと。
私のどこが綺麗なのかしら。メタボ体型なのに。
同僚は言う、花の命は短いわよと。
あなたが私の事を良く知らないだけ。ちゃんと見えない所では一夜限りの花を咲かせているわ。
部下は言う、昼間から楽ばかりしてるねと。
私は部下に声を出して言いたい
お前らこそ、挨拶をサボってんじゃねぇよ。月下美人さんだろ。サボテンなんて俗称で呼ぶな。もっと、こう、なんだ、美人は丁重に扱え。これでも私は女の娘なんだからさ。そうしたらお前にも、もう少しだけ優しくしてやってもいいぜ。この前は傷つけてゴメンな。痛かったか。
月下美人さん、もしかして僕の事。
べ、別にあんたの事、好きとかそんなんじゃないんだからね。か、勘違いしないでよね、馬鹿。