ウオクス フロラ

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自分が醜い女だと言う事は良く解っていた。いつも来るヒゲ男が、顔を見せなくなって1週間。飽きられたのだとは解っていても、少々心が傷ついた。
だから、ヒゲの男が再び顔を見せた時は凄く驚いた。
「ナオさん」
そう言って彼はmp3プレイヤーを見せると、レシーバを私に渡す。有無を言わさぬ勢いを感じてレシーバをつけると、彼は再生を押した。
『香雪蘭』
耳に音が響くと同時に、頭の中で白いフリージアが見える。えー、なにこれ。びっくり。
「すごい、スゴイ、すご〜い」
あまりの驚きに、笑顔がでる。
「フローラボイス」
彼は言う。声を聞くと脳内で花が再生されるのだ。
「思った通り、笑顔が花のようだ」
なにを馬鹿なことを
「じゃあ次、これを聞いて」
彼はもう一度再生を押した。
薔薇の花が耳もとで囁く。
『好きです、結婚して下さい』
えっと思ったけど咄嗟に私も、
「はい」と、フローラボイスで答えていた。
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公開:18/02/13 11:21

一条美紀( 北陸 )

1957/9/11生まれ
新規一転したくて
のそのそとやってます。

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