花の絵

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 ある美術館に一枚の絵がありました。ほとんど来客のない美術館。特に奥に置いてあるその絵を誰も見ません。絵は孤独でした。
 ある日、ひとりの少年がやってきました。彼はまじまじと絵を見つめて笑顔で言いました。「なんて素敵なお花だろう」。絵は喜びました。
 少年は定期的に遊びに来ました。少年は絵に話しかけます。絵は少年の話を飽きることなく聞きました。
 少年は来なくなりました。絵は心配しました。体の具合でも悪いのかな。心配をよそに少年は突然やってきました。隣には少女がいました。
 少年と少女は手をつないでいました。少女は仏頂面です。少年は困っています。絵はいつものように少年の話が聞きたかったけど、少年は少女にしか話しませんでした。
 絵は悲しくて、あろうことか少年に褒めてもらった絵の中のお花を散らしてしまいました。
 今、皆さんに観て頂いている「散った花」はこうして出来上がった作品でございます。
ファンタジー
公開:18/02/13 00:40
ショートショート10番勝負

だんご( 石の下 )

だんごむしのだんごちゃん。まるくなって空を見つげる。
ツイッター @Fdng7

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