メアリーおばさんの家

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裏山の花畑に囲まれた家に、メアリーおばさんは住んでいました。彼女は、幼い私に、編み物やお菓子作りなど様々なことを教えてくれました。メアリーおばさんは、私が帰る時にいつも花をプレゼントしてくれました。おばさんがくれる花は、その日の私にぴったりな花言葉を持っていました。友達と喧嘩をしてしまった時は「真の友情」という花言葉を持ったゼラニウムを。私が恋に苦しんでいる時は「あなたは魅力的」という花言葉を持った赤いラナンキュラスを。
私が引っ越すことになり、最後にメアリーおばさんと会った日。別れを惜しむ私に、彼女は紫色の美しいリナリアを手渡しました。

数年後、大人になった私はメアリーおばさんの家を訪ねました。しかし、花畑の家は跡形もなく消え去っていました。かつて彼女の家があった場所には、あの日私がもらった、美しいリナリアが咲き誇っていました。

リナリア:オオバコ科に属する花で、花言葉は「幻想」
ファンタジー
公開:18/02/13 21:32
更新:18/02/13 21:57

小狐裕介

ショートショートを書いています。
光文社文庫「ショートショートの宝箱」に「ふしぎな駄菓子屋」収録。
学研プラス「名作転生 主役コンプレックス」に「マンホールの女神様」収録。

Web光文社文庫「SSスタジアム」に 「街針」という作品が掲載されています。

作品集「狐の与太話」をKDPにて出版中。

Twitter:https://twitter.com/foxtalk_tweet

ブログ「会社員小説作成日記」http://foxconcon.com
 

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