流れ星製造機(前編)

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「今夜タヌキ山に集合な?」
小学校の集団下校の途中で友人の健太に声をかけられた。
「面白いもの手に入れたんだ」
何?、と聞いても健太は、面白いモノ、を繰り返すばかりだった。
タヌキ山とは学校の裏にある小高い丘のことで僕らが勝手にそう呼んでいる。
高台の公園からは夜景と呼ぶには恐れ多い田舎街のしょぼい灯りが見下ろせるだけ。でも僕はここから見上げる夜空の星々の煌めきが好きだったりする。
「うう、寒い」
10月後半ともなれば夜は結構冷える。薄手のジャンパーだけの僕はマフラーも要るなと少し後悔。健太はまだ来ない。ルーズなのはいつものことなので気にしない。
知っている星座を目で追っていると「おっ、早いな」と真っ暗な背後から健太の声。
「お前が遅いんだよ。言い出しっぺのくせに」
「まあまあ」
馬の耳に念仏とはこのことだろう。
「何だよ、いいもの、って」
気になって仕方がない。
SF
公開:18/02/12 19:27
更新:18/02/14 20:11

Kato( 愛知県 )

ヘルシェイク矢野のことを考えてたりします
でも生粋の秦佐和子さん推しです

名作絵画ショートショートコンテスト
「探し物は北オーストリアのどこかに…」入選

働きたい会社ショートショートコンテスト
「チェアー効果」入選

ありがとうございます

 

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