駄洒落税

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この音声が奴らに見つからないことを祈る。

始まりは、この国の政府が採決した駄洒落税だった。
駄洒落をいうたびに1000円という余りの税率に、まず世の中からオヤジギャグが消えた。
布団は吹っ飛ばなくなり、アルミ缶の上からみかんはなくなり、土管はずっと土管のままだ。

またラップバトルなどの韻を踏むという行為も課税対象とされ、若者たちの文化が枯れた。

そして、駄洒落税を恐れる人々は「ねぇ」「うん」「寝る」など味気のない最低限の言葉しか話さなくなり、今ではロボットのほうが饒舌だ。

こうなると政府に反旗を翻す者があらわれ、ついに駄洒落罪が強行採決され、ユーモアは完全に死んだ。

私は何もできなかった。言い訳はしない。でも、こんな世界でいいわけがない。私は今から……。

しまった!
うっかり駄洒落になってしまった。監視ドローンの声がきこえる。
「ダジャレヲイウノハダレジャ」
まったく笑えない。
SF
公開:18/02/10 10:01

そるとばたあ( 神奈川 )

★そるとばたあの400字SSは、ことば遊びと文章のリズムにこだわり、音を体感できる物語がコンセプトです!

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