バレンタイン税

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バレンタインデイで困るのが本命と義理の扱いだ。
本命を本命と気付かず、義理を本命と勘違いする鈍感な世の男は多い。
そこでバレンタイン税の導入である。
この法案可決には我が国初の女性首相の猛烈な働きかけも影響した。
女性は本命チョコを市に申請し、それを受け取った男には納税書が届く。
学生は支払免除で通達のみとなる。
本命をもらった男は幸せ還元としてチョコの金額の5%を納税しなければならない。
このモテない男のやっかみのような税のおかげで本命と義理の勘違いがなくなり、あやふやになっていた男女の意思の疎通がしっかり取れるようになった。
しかし困ったことが起きた。
毎年バレンタインにトラック何十杯分ものチョコが届くアイドルだ。アイドルはいくら稼いでも税金で飛んでいくのでとうとう「普通の男の子にもどります」と引退してしまったのだ。
そのアイドルに隠れてチョコを送っていた首相は慌てて税の廃止を決めた。
その他
公開:18/02/09 13:14
更新:18/02/19 00:24

杉野圭志

元・松山帖句です。

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