はしご イン マイ ポケット
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僕はある日、はしごの上から絶景を眺めている男に声をかけた。
「どうやったらそのはしごが手に入るんですか?」
「ポケットから取り出すだけだよ」
「はしごなんてポケットに入りません」
「じゃあ考えを改めないとな」
僕は返答に困った。
しかし、その言葉を聞いてから、ポケットの中に小さなはしごがあるような気がした。
またある日、その人に声をかけられた。
「お前のはしご、そろそろ登ってみたらどうだ」
ポケットをまさぐると、はしごが出てきた。
「外に出してみないと分からないだろ?」
「こんなのがポケットに入っていたんですね」
「まだまだ低いけどな」
僕はゆっくりと自分のはしごを登り始めた。
少しずつ、景色が高くなる。
ふと、その人の顔を見上げた。
なぜか笑っている。
「すまん、言い忘れてたけどこのはしご、一回登ったらもう降りられないから」
なんでもっと早く言ってくれなかったんだ。
「どうやったらそのはしごが手に入るんですか?」
「ポケットから取り出すだけだよ」
「はしごなんてポケットに入りません」
「じゃあ考えを改めないとな」
僕は返答に困った。
しかし、その言葉を聞いてから、ポケットの中に小さなはしごがあるような気がした。
またある日、その人に声をかけられた。
「お前のはしご、そろそろ登ってみたらどうだ」
ポケットをまさぐると、はしごが出てきた。
「外に出してみないと分からないだろ?」
「こんなのがポケットに入っていたんですね」
「まだまだ低いけどな」
僕はゆっくりと自分のはしごを登り始めた。
少しずつ、景色が高くなる。
ふと、その人の顔を見上げた。
なぜか笑っている。
「すまん、言い忘れてたけどこのはしご、一回登ったらもう降りられないから」
なんでもっと早く言ってくれなかったんだ。
ファンタジー
公開:18/02/10 01:55
更新:18/02/10 01:56
更新:18/02/10 01:56
愛媛県松山市で活動しているお笑いコンビ「ファンファーレ」の瀬野です。
劇団コバヤシライタ所属。
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