入眠
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ピンポン玉サイズの赤い光が点滅していると思えば、橙色の雷が目の前を通った。その後ろではショッキングピンクの光の波が絶えず揺らめいている。ミックスベジタブルを思わせる粒々とした光たちが弾み、真っ暗闇の中で様々な光がでたらめに動き回る。
私は黙ってその様子を見つめる。しばらくすると網膜に焼けつく残像と目の前の輝きの区別が付かなくなってくる。
私は疲れを感じて両手で目を覆った。すると手のひらの無数に敷かれた皺の道や、皮膚の奥に潜む血液の呼吸、体温の刺激が視界に入る。今度はこちらが煩わしい。
仕方がないのでファーストキスのような慎重さと緊張感を持って目蓋を閉じる。何度やっても慣れないものだ。目蓋の裏は緑色の細い線が心電図を描いて私を迎え入れる。ここまでくればあと少し。一定に流れていた波が徐々に弱くなる。やがて直線となり、消えて完全なる闇となる。
そして、私は眠りに就くことができるのだ。
私は黙ってその様子を見つめる。しばらくすると網膜に焼けつく残像と目の前の輝きの区別が付かなくなってくる。
私は疲れを感じて両手で目を覆った。すると手のひらの無数に敷かれた皺の道や、皮膚の奥に潜む血液の呼吸、体温の刺激が視界に入る。今度はこちらが煩わしい。
仕方がないのでファーストキスのような慎重さと緊張感を持って目蓋を閉じる。何度やっても慣れないものだ。目蓋の裏は緑色の細い線が心電図を描いて私を迎え入れる。ここまでくればあと少し。一定に流れていた波が徐々に弱くなる。やがて直線となり、消えて完全なる闇となる。
そして、私は眠りに就くことができるのだ。
その他
公開:18/02/09 22:56
だんごむしのだんごちゃん。まるくなって空を見つげる。
ツイッター @Fdng7
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