僕の心の花
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「花」は僕の幼馴染だった。「花子」という名前だったのか、それとも「花」がついた苗字だったのか、それは今となっては分からない。
幼い頃の僕は、病気がちでよく入院していた。僕の病室に、花はよくやって来た。花がやってくると、灰色の病室がまるで花畑のように華やいだのをよく覚えている。
花はある日、僕を病室の外に連れ出し、水の光る河原でこう言った。
「大人になったらね、結婚しよう」
その日から、僕の心に花が咲いた。
しかし、あまりにも稚拙な結婚の約束だけを残して、花はどこかへ消えてしまったのだった。
「先輩、何か言いたいことがあるんじゃないですか」
会社からの帰り道、後輩の恭子が声をかけてきた。僕は彼女が好きだ。そして、おそらく彼女も。
僕は、僕の心に咲く花を摘むことにした。
「君が好きだ」
その言葉と共に、僕の心から離れた花はしおれ、やがて消えた。
幼い頃の僕は、病気がちでよく入院していた。僕の病室に、花はよくやって来た。花がやってくると、灰色の病室がまるで花畑のように華やいだのをよく覚えている。
花はある日、僕を病室の外に連れ出し、水の光る河原でこう言った。
「大人になったらね、結婚しよう」
その日から、僕の心に花が咲いた。
しかし、あまりにも稚拙な結婚の約束だけを残して、花はどこかへ消えてしまったのだった。
「先輩、何か言いたいことがあるんじゃないですか」
会社からの帰り道、後輩の恭子が声をかけてきた。僕は彼女が好きだ。そして、おそらく彼女も。
僕は、僕の心に咲く花を摘むことにした。
「君が好きだ」
その言葉と共に、僕の心から離れた花はしおれ、やがて消えた。
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公開:18/02/09 22:50
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