胸に泣き跡
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「私、豊君が好きなの。」
真剣な面持ちで、親友の絵美は私に告白した。
一瞬で頭が真っ白になった私は、え。とか、あ。といった母音を発することしかできず、絵美は「ごめん、引いたよね。」と悲しげに笑った。
「引いてない!ちょっとびっくりしただけで。」
「本当?」
「うん。あと…」
「やめときなよ、とか?」
「だって、異性を好きになるとか、普通じゃないし。」
「そうかもしれないけど、好きだから。」
「でも、」
「悠里は、私の味方になってくれない?」
そんなことを好きな相手に言われて、無下にできる方がどうかしてる。
結局「…私は、どんなことがあっても絵美の味方だよ。」とお決りの言葉を吐いて、対価として「ありがとう。」と淡い笑顔を頂いた。惚れた弱みじゃ仕方ないかあ、と胸の内で呟く。
「振られたら、悠里の胸貸してね。」
そう言いながら教室を出てった絵美の帰りを、まるで忠犬のように待つのであった。
真剣な面持ちで、親友の絵美は私に告白した。
一瞬で頭が真っ白になった私は、え。とか、あ。といった母音を発することしかできず、絵美は「ごめん、引いたよね。」と悲しげに笑った。
「引いてない!ちょっとびっくりしただけで。」
「本当?」
「うん。あと…」
「やめときなよ、とか?」
「だって、異性を好きになるとか、普通じゃないし。」
「そうかもしれないけど、好きだから。」
「でも、」
「悠里は、私の味方になってくれない?」
そんなことを好きな相手に言われて、無下にできる方がどうかしてる。
結局「…私は、どんなことがあっても絵美の味方だよ。」とお決りの言葉を吐いて、対価として「ありがとう。」と淡い笑顔を頂いた。惚れた弱みじゃ仕方ないかあ、と胸の内で呟く。
「振られたら、悠里の胸貸してね。」
そう言いながら教室を出てった絵美の帰りを、まるで忠犬のように待つのであった。
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公開:18/02/08 13:10
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