もうすぐ会えるよ。
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「乗船される方はこちらに並んで下さーい。」
そう言いながら係員が『5年待ち。こちらが最後尾』の札を掲げていた。
今回は比較的早いなとぼやきながら並ぶと、すぐ後ろに並んだ○○が「5年かぁ。」と、どこか落胆したように呟いていた。
自分は無意識に、5年なんてまだ早い方だぞ。と声をかけていた。
「乗ったことあるの?」
「これで3度目だ。」
「凄い。僕は初めて。」
「そうか。何が目的で?」
「僕の両親に、僕と会わせてあげたいんだ。僕が流れて、凄く悲しそうだったから。」
「そりゃお気の毒に。…そうだ、良かったらこれやるよ。」そう言いながら、いつの間にか受け取っていた半透明のコインを手渡してやった。
「それを係員に渡したら、最後尾なんかに並ばなくても直ぐにこの世へ行けるのさ。」
「本当⁉でも、僕が貰っていいの?」
「俺は別に急いでないからな。」
○○の背中をトンと押すと、「ありがとう!」と駆けていった。
そう言いながら係員が『5年待ち。こちらが最後尾』の札を掲げていた。
今回は比較的早いなとぼやきながら並ぶと、すぐ後ろに並んだ○○が「5年かぁ。」と、どこか落胆したように呟いていた。
自分は無意識に、5年なんてまだ早い方だぞ。と声をかけていた。
「乗ったことあるの?」
「これで3度目だ。」
「凄い。僕は初めて。」
「そうか。何が目的で?」
「僕の両親に、僕と会わせてあげたいんだ。僕が流れて、凄く悲しそうだったから。」
「そりゃお気の毒に。…そうだ、良かったらこれやるよ。」そう言いながら、いつの間にか受け取っていた半透明のコインを手渡してやった。
「それを係員に渡したら、最後尾なんかに並ばなくても直ぐにこの世へ行けるのさ。」
「本当⁉でも、僕が貰っていいの?」
「俺は別に急いでないからな。」
○○の背中をトンと押すと、「ありがとう!」と駆けていった。
その他
公開:18/02/08 12:12
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