苺
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「ご存知の昔話『桃太郎』にあるように、くだものから人が生まれてくることはこの国において珍しいことではないの。」
学生時代付き合っていた彼女、苺は、ご両親がイチゴ狩りに出かけた際に収穫したイチゴの中から産まれたそうだ。
「ウソ〜!そんな人間いるわけないじゃん」
社会人になってから知り合った今の彼女が笑った。
まあ、僕も実際はありえないと思う。苺はそんな空想の話を真剣にするような変わった女で、とうとう妊娠したなんて言い出した時(もちろん検査を受け、嘘が判明した)もう嫌になって別れたのだ。
その時ピンポーンと部屋のインターホンが鳴った。
「宅配でーす」
届いた小さなダンボールの中には、苺のパックがひとつ。
粒が大きく美味しそうだ。
「差出人は不明みたいだ。」
「えー?気持ち悪くない?」
「あ、手紙が入ってる」
『赤ちゃんです。責任とって下さい。』
苺が一粒、動いた気がした。
学生時代付き合っていた彼女、苺は、ご両親がイチゴ狩りに出かけた際に収穫したイチゴの中から産まれたそうだ。
「ウソ〜!そんな人間いるわけないじゃん」
社会人になってから知り合った今の彼女が笑った。
まあ、僕も実際はありえないと思う。苺はそんな空想の話を真剣にするような変わった女で、とうとう妊娠したなんて言い出した時(もちろん検査を受け、嘘が判明した)もう嫌になって別れたのだ。
その時ピンポーンと部屋のインターホンが鳴った。
「宅配でーす」
届いた小さなダンボールの中には、苺のパックがひとつ。
粒が大きく美味しそうだ。
「差出人は不明みたいだ。」
「えー?気持ち悪くない?」
「あ、手紙が入ってる」
『赤ちゃんです。責任とって下さい。』
苺が一粒、動いた気がした。
ホラー
公開:18/02/09 03:57
更新:18/12/05 22:30
更新:18/12/05 22:30
読んでもらえたら嬉しいです!
普段は漫画をかいたりしています。
ツイッター@kyuimuni
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