体格税

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ある国で、一つの課税制度が実施された。それが「肥満税」である。
肥満税とは、太った人間に課税される税のことで、昨年との体重差で税率が変わる。昨年より1kg増えていたら税率が1%上がるといった具合である。太った人は、無駄な肉を「税肉(ぜいにく)」と呼んで恐れた。
そして肥満税を実施するのであればその逆もあるべきだということで、今度は痩せている人にも「虚弱税」という税金が課せられることになった。その結果、痩せている人たちは自分たちの「税弱(ぜいじゃく)」な体を呪う事となった。
さて、こうなってくると一番良い思いをするのは、普通の体型をしている人である。
結果的に普通の体型をしている人も課税を受けるべきだということになった。
これにより、どんな体格の人も等しく課税されることになり、国の財政は潤った。
ちなみに普通の体格の人に課税されたのは、もちろん「中肉中税(ちゅうにくちゅうぜい)」である。
SF
公開:18/02/08 23:13
更新:18/02/08 23:14

小狐裕介

作家としてショートショートや短いお話を書いています!

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