1歩一歩
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森を歩いている。
周りは霧で覆われて、方位磁石すら役に立ちそうにない。
鳥や虫すらその場にいないくらい静かだ。
落ち葉や小枝を踏む音だけが、周囲に響く。
どれくらい歩いただろう、喉が水を欲していた。
しかし、荷物を何も持っていなかった。
それどころか、裸だった。
どうしてこんな姿で森を歩いてるのだろう。
考えようとすると頭が痛い。
こめかみを抑えつつ、しゃがみ込む。
「こんばんは」
声がしたので、頭痛を堪えつつ顔を向けた。
全身黒のフードに覆われた物体が視界に入る。
「あなたは今日、飛び降りて頭から地面に激突したんですよ」
慣れたようにその物体は淡々と言葉を話す。
驚いて、指をこめかみから離して気がついた。
血が肌色を覆うように重なる。
「ようこそ死者の世界へ」
その言葉で理解出来た。
受験の失敗と告白を断られ、絶望のまま飛び降りたのだ。
物体は右手を差し出して、手招きしていた。
周りは霧で覆われて、方位磁石すら役に立ちそうにない。
鳥や虫すらその場にいないくらい静かだ。
落ち葉や小枝を踏む音だけが、周囲に響く。
どれくらい歩いただろう、喉が水を欲していた。
しかし、荷物を何も持っていなかった。
それどころか、裸だった。
どうしてこんな姿で森を歩いてるのだろう。
考えようとすると頭が痛い。
こめかみを抑えつつ、しゃがみ込む。
「こんばんは」
声がしたので、頭痛を堪えつつ顔を向けた。
全身黒のフードに覆われた物体が視界に入る。
「あなたは今日、飛び降りて頭から地面に激突したんですよ」
慣れたようにその物体は淡々と言葉を話す。
驚いて、指をこめかみから離して気がついた。
血が肌色を覆うように重なる。
「ようこそ死者の世界へ」
その言葉で理解出来た。
受験の失敗と告白を断られ、絶望のまま飛び降りたのだ。
物体は右手を差し出して、手招きしていた。
ファンタジー
公開:18/02/08 22:53
スレイヤーズの影響を多大に受け、ライトノベル作家を目指すが現実の厳しさにその夢を諦める。
ただ、お話を書くことが好きで、仕事をしつつ、不定期に投稿させてもらってます。
その内400字でバトルもの書きたいなと。
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