雪かき2

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 列が続いている、右にも左にも。後に雪山が出来ている。その山に向けて雪を投げる。放物線を描き、雪は山の側面に着地する。力が弱ければ手前で落ちる。
「怠けるな、しっかりやれ」
 叱責がとぶ。右の八番目と九番目が、スコップの柄を折った。
「仕方がない、宿舎へ帰れ」
 なんだ、道具を壊すと宿舎へ戻れるのか。寒いが荒々しく道具をふるう。予期した通り柄が折れた。
「道具を粗末にするな」
 またまた殴られた。これを使えと全アルミ製のスコップを渡される。
 しまった、あいつらはサクラか。顔の長い男の目的は、俺たちにアルミのスコップを持たせる事だったのだ。
 アルミの奴はプラ製より重く、雪がスコップの面に張り付いて離れない。力任せに振る。雪は止まない。
 そして…。
公開:18/02/08 03:00
更新:18/02/07 15:25

一条美紀( 北陸 )

1957/9/11生まれ
新規一転したくて
のそのそとやってます。

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