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ここ三津駅は小さな駅で自動改札機が一台しかない。
時間帯によっては降車時に列ができ、先頭から定期を順番にかざすと、ポン、ポン、ポンと認証電子音がリズムよく続く。
そのリズムを崩さないように最後尾の僕は定期を構えた。
ポン、ポン、イヤン。
今、確かにイヤンと言った。
次の日も、その次の日も。周りの客が僕のことを白い目で見る。
たまらず駅員に相談すると、
「それは下心があるからですね。あ、下心と言っても色々あって恋という字も下に心があるので一概に悪いことだけではありませんが」
駅員曰く、大人は下心が理性で覆われているから反応しないそうだ。
ふーん。思い当たらないことがないでもない。時々電車で一緒になるあの子のことが僕は気になっているからだ。
ポン、ポン、そんなわけで今日もやっぱり、ポン、ポン、イヤン、なわけで、ポン、ポン、イヤン。
えっ?
振り返ると頬を赤らめた彼女がこっちを見て笑った。立春。
時間帯によっては降車時に列ができ、先頭から定期を順番にかざすと、ポン、ポン、ポンと認証電子音がリズムよく続く。
そのリズムを崩さないように最後尾の僕は定期を構えた。
ポン、ポン、イヤン。
今、確かにイヤンと言った。
次の日も、その次の日も。周りの客が僕のことを白い目で見る。
たまらず駅員に相談すると、
「それは下心があるからですね。あ、下心と言っても色々あって恋という字も下に心があるので一概に悪いことだけではありませんが」
駅員曰く、大人は下心が理性で覆われているから反応しないそうだ。
ふーん。思い当たらないことがないでもない。時々電車で一緒になるあの子のことが僕は気になっているからだ。
ポン、ポン、そんなわけで今日もやっぱり、ポン、ポン、イヤン、なわけで、ポン、ポン、イヤン。
えっ?
振り返ると頬を赤らめた彼女がこっちを見て笑った。立春。
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公開:18/02/06 18:48
更新:18/02/15 14:59
更新:18/02/15 14:59
元・松山帖句です。
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