爆発

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「ねえ、私そろそろ爆発しそうだよ」
「え、もう?早かったね〜」
Aちゃんはもうすぐ爆発してしまうらしい。よくわからないことを言っていると思うが、なんせ私も昨日聞いたばかりだから、よくわかっていない。
「うん、ほんとはずっとずっと爆発しそうだったけど、誰かに見てもらいたかったから我慢してたんだ」
「はい、じゃあこれ」
私は昨日頼まれていた通りにAちゃんに紙を差し出そうとして、渡す直前で慌ててペンも添えた。
爆発しそうなのは、Aちゃんの物語なのだ。きっとペンもあったほうがいいに違いない。ところが、
「ペンなんていらないよ、私これから爆発するんだから」
そう言われてしまっては片付けるしかない。私はペンを片付けようと筆箱に目をやった。
ぼふん。ぴちゃぴちゃ。
振り返ると、そこには文字で埋まった紙だけが残っていた。
「あー、だから紙だけでよかったのか」
その他
公開:18/02/08 01:13
更新:18/02/14 18:10

ぷー( 松山 )

綺麗な文章が好きです。
コメントもらえたら喜びます。
そろそろ秋だなぁ

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