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私、国税庁の者です。今からあなたの家を脱税の容疑で家宅捜索します。勝手に動いて証拠隠滅をしないで下さいね。
捜査官は私の隣に立ち、部下の様子をじーっと監視していた。
捜査官、ここにはありません。次は二階の方を探してみます。
わかった。慎重かつ念入りに探せよ。そうすればきっと見つかるはずだ。
私は庭の方をチラリと見た。
しめしめ、まだ誰にも気付かれていない。まさか、地面に大金が埋められているなんて誰も思わないだろう。
プルルル
もしもし、私だ。何っ、それは本当か。
捜査官は庭の方をじーっと眺め始めた。
マズイ、気付かれたか。いや、バレるはずがない。
あなた、最近、友人に金の成る木を見つけたと漏らしていたそうですね。
それは酒の席の冗談ですよ。
ほぉ、冗談ですか。あれを見てもそう言えますか。
そんな馬鹿な。
庭には札束の桜が咲いていた。舞い落ちる度、羽根がニョキッと生えて空へ飛んでいった。。
公開:18/02/05 19:42
更新:18/02/05 22:35

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