妖怪ふやかし
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「ほー、珍しい加湿器使ってんなぁ」
「あぁこれ? 実家で見つけた古いやつなんだけど、知ってんの?」
「ちょっと中開けてみ」
言われるまま、本体のカバーを外してみる。
「うわっ、何これ?」
中から掌サイズでヌメッとした人ともなんとも言えない生き物が出てきた。
「『妖怪ふやかし』だよ。住人が寝てる間に家中の乾物を戻しちゃう妖怪」
「初めて聞いたんだけど……」
「昔は結構いたらしいぞ。けどこんな風に捕まって加湿器に使われるようになってから、数が激減してさ」
「へぇ、なんか可哀想だな」
怯えたような目でこちらを見つめるふやかしを、外に逃がしてやることにした。
僕の心はそんなに乾いてない、ってことで。
「あぁこれ? 実家で見つけた古いやつなんだけど、知ってんの?」
「ちょっと中開けてみ」
言われるまま、本体のカバーを外してみる。
「うわっ、何これ?」
中から掌サイズでヌメッとした人ともなんとも言えない生き物が出てきた。
「『妖怪ふやかし』だよ。住人が寝てる間に家中の乾物を戻しちゃう妖怪」
「初めて聞いたんだけど……」
「昔は結構いたらしいぞ。けどこんな風に捕まって加湿器に使われるようになってから、数が激減してさ」
「へぇ、なんか可哀想だな」
怯えたような目でこちらを見つめるふやかしを、外に逃がしてやることにした。
僕の心はそんなに乾いてない、ってことで。
ファンタジー
公開:18/02/03 01:22
大学生。楽しいことを思いつくと嬉しい。
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