魔法の書

真矢は魔法の書に書かれている通り、地面に魔法陣を描き、そしてこう唱えた。
ヒッポロ、パッポロ。
すると魔法陣から煙が立ち上り、美しい女神が現れた。
わらわを呼んだのはお前か。
そうよ、私。
では願いを言え。三つだけ叶えてやろう。
それじゃ、最初に私をお金持ちにして。
よかろう。はっ。
気付くと真矢はアラブの女王になっていた。窓から見える広い敷地の宮殿、見渡す限りの街並み、山や湖も全て自分の物です。世話役も全て若いイケメンです。
では次の願いを言え。
そうね、だったら永遠の若さが欲しいわ。お金持ちになったのに病気で寝たきり何て嫌だもの。
承知した。はっ。
真矢の体は昔の張りのあるお肌に戻っていた。すごいわ。これで私は一生、幸せになれるわ。
そうそう、分かっているとは思うが最後の願いを願ったらあなた死ぬから。
えっ。
その魔法の書にも書いてあるだろう。まさか、お前、取説を読まなかったのか。