甘すぎる冒険
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チョコレートの沼地を渡りきると魔王ザッハトルテの城が見えた。
ここまでとても長く甘い道のりだった。
きな粉の砂漠では、きな嵐に行く手を遮られた。
抹茶の草原では、練りきりでできた動物に襲われもした。
生クリームの雪原では、ろうそくの炎と吹き消す風の中を進んだ。
綿菓子雲から飛び降りて、ソーダの海を泳いだこともあった。
海底でみたエメラルド色のソーダとアイスクリームの混ざりあう神秘的な光景は忘れられない。
その冒険も今日で終わりだ。
名刀大納言を構え、魔王ザッハトルテに立ち向かった。
しかし、体が重い。呪文でもかけられたみたいだ。鏡に映った私の体は丸々と太っていた。素早さの落ちた私は呆気なく、魔王にやられてしまい、画面は真っ暗になった。
「ああ、やられた!」
「なかなか難易度が高そうだったみたいだけど?」
「そうなんだよ。設定を『甘さ控えめ』にしていたからね。そんなに甘くはなかったよ」
ここまでとても長く甘い道のりだった。
きな粉の砂漠では、きな嵐に行く手を遮られた。
抹茶の草原では、練りきりでできた動物に襲われもした。
生クリームの雪原では、ろうそくの炎と吹き消す風の中を進んだ。
綿菓子雲から飛び降りて、ソーダの海を泳いだこともあった。
海底でみたエメラルド色のソーダとアイスクリームの混ざりあう神秘的な光景は忘れられない。
その冒険も今日で終わりだ。
名刀大納言を構え、魔王ザッハトルテに立ち向かった。
しかし、体が重い。呪文でもかけられたみたいだ。鏡に映った私の体は丸々と太っていた。素早さの落ちた私は呆気なく、魔王にやられてしまい、画面は真っ暗になった。
「ああ、やられた!」
「なかなか難易度が高そうだったみたいだけど?」
「そうなんだよ。設定を『甘さ控えめ』にしていたからね。そんなに甘くはなかったよ」
ファンタジー
公開:18/02/04 13:26
☆そるとばたあの400字SSは、『ミュージシャンが曲を作るように物語を描く』をコンセプトとしております。
ことば遊びと文章のリズムにこだわり、音を体感できる物語に挑戦中です!
☆拙作のプレイリストを選んでいただきました!
気になられた方は、↓の過去作品も一緒に楽しんでいただければと思います!
【This is そるとばたあ selected by むう】
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