真夏の雪だるま

広い草原に二つの雪だるまが置かれていた。誰が作ったのかは分からない。けれど二つは寄り添って置かれていた。黒い帽子を被っているのは男性だろう。だとするとリボンが付いているのは女性かな。
昼を過ぎた頃、山から一羽のカラスが飛んできて木の枝に停まった。
いや～暑いねぇ。あまりに暑いから真っ黒に日焼けしてしまいました。ハハハ。あっ、別にお二人がお熱いって皮肉を言った訳ではないですよ。
二人は寄り添い終始、無言だった。
いや～仲が良くてよろしいですな。私なんか七つの子供がいるから毎日、大変です。かかあ、かかあって。いや～それにしても暑い。今日は真夏日らしいですよ。このまま気温が上がったら私、明日にはきっと焼き鳥になっていますよ。ハハハ。ところで本当に二人は暑くないですか。ははあ、蕩けるくらい甘い時間を過ごしている訳ですな。
いいえ、違います。
雪だるまは反論した。
今はもう二人ともドロドロです。