千円詐欺
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「隣、いいですか?」と、中田は男に声を掛ける。仕事帰りの中田は、新幹線に乗っていた。
「どうぞ」と座っていたサラリーマンの男はこたえる。
しばらくして、隣の男は中田に話しかけてきた。
「最近流行ってるらしいですね、詐欺」
その詐欺は普通の詐欺ではない。千円単位のお金をだまし取る詐欺だ。
「実は僕も昨日やられまして、2千円ですけど」と、中田。
「それは大変ですねえ、まさか被害者が近くにいるとは」
「喉乾きません?ビール買ってきますよ」と、中田。
「いいんですか?後で返すので頼みます」
「あのうすみません、財布をスーツケースに入れてしまっていて、千円貸していただけませんか」
「いいですよ、どうぞ」
「すぐ戻ってきます」と言った中田がなかなか戻って来ない。
男はようやく、中田に騙されたことに気が付いた。例の千円詐欺だ。
男は席を離れて、別の男に話しかける。
「隣、いいですか?」
「どうぞ」と座っていたサラリーマンの男はこたえる。
しばらくして、隣の男は中田に話しかけてきた。
「最近流行ってるらしいですね、詐欺」
その詐欺は普通の詐欺ではない。千円単位のお金をだまし取る詐欺だ。
「実は僕も昨日やられまして、2千円ですけど」と、中田。
「それは大変ですねえ、まさか被害者が近くにいるとは」
「喉乾きません?ビール買ってきますよ」と、中田。
「いいんですか?後で返すので頼みます」
「あのうすみません、財布をスーツケースに入れてしまっていて、千円貸していただけませんか」
「いいですよ、どうぞ」
「すぐ戻ってきます」と言った中田がなかなか戻って来ない。
男はようやく、中田に騙されたことに気が付いた。例の千円詐欺だ。
男は席を離れて、別の男に話しかける。
「隣、いいですか?」
ミステリー・推理
公開:18/02/02 02:31
主にツイッターにいます。
小説も書きます、たまに。
Twitter:@96mayuko
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