「カエルに変身した体験、及びそれに基づいた対策」が思い出せない

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気がつくと私は蛙になっていた。雨蛙になった私は水底からキラキラと光る水面を見上げる。確かさっきまで水泳の授業で。そう、私はプールで溺れたんだった。苦しくて必死でもがいても何も掴むことが出来なくて。そうすると、これは溺れそうになったから蛙になってしまったと考えればいいの?蛙なら水の中でも呼吸が出来るから苦しくないものね。いやいや蛙だって肺呼吸だ。やっぱり私は混乱しているらしい。蛙になってしまった時はどうするんだっけ?光原百合さんはどう対策しろって書いてた?さっぱり思い出せない。そもそも塩素の入ったプールに蛙がいる?そう思った途端、又、呼吸が苦しく…なって…。

げほっ、げほっ!

気が付くと私は人間に戻っていた。心配そうに見つめる体育の先生の顔が目の前にあった。溺れた私を助けてくれたんだ。ジンジンと痺れる唇と、先生の声を遠くに感じた。

王子様とのキスで人間に戻る蛙の話ってなんだったかなぁ。
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公開:18/01/30 22:57
更新:19/02/11 19:42
月の文学館

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ショートショートって難しい。
最初の頃は400字は短すぎるなんて思ってましたが、色々書くうちに400字に無限の可能性を感じるようになりました。

読んだ人の心が少しでも動いたらいいな。何かを感じてくれたらいいなと思って書いてます。

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