世界の果ての夢の木

0
216

 世界の果てに夢の木がある。誰かが片目をえぐって捧げると、夢の木は実をつけ世界に夢が広がる。言い伝えを知った誰かがやってきては世界の夢を繋いでいた。

 時が経ち人間は増えたが、夢の木に目を捧げる者は減っていった。言い伝えは迷信と呼ばれ、世界の夢のために片目を捧げてもただの隻眼と邪険にされるようになった。そして誰も片目を捧げなくなった。

 やがて世界から夢が消え、世界中の人々は暗闇の中で生きることになった。もはや目があってもなにも見えない。
ファンタジー
公開:18/01/30 14:20
更新:18/01/30 14:53

一田和樹( バンクーバー )

小説を書いています。
Amazon著者ページ https://t.co/ZrGUiK7HaJ 
公式サイト http://ichida-kazuki.com 
ツイッター @K_Ichida
使用している写真は全て私自身が撮影したか描いたものです。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容