ブックコック
3
222
とある街に、本を調理してくれるコックがいた。
材料として本を持っていくと、客の要望に応じて調理してくれるのだ。
たとえば
「この哲学書を調理してくれ。生だとカタくて読めないんだよ。」
という客には、
「水増ししてよく煮込みました。量は多くなりましたが、噛み砕きやすくなっております。」
また、
「この本は量が多すぎて読みきれないんだ。」
という客には、
「おいしいところだけ残してカットいたしました。醍醐味は味わえるかと思います。」
そんなコックのもとにこんな客が訪れた。
「この小説、結末の意味がよく理解できないんです。読んでも喉に詰まるような感じがして、どうもひっかかる。うまく調理してくれませんか。」
コックはしばし悩んでから、調理しはじめた。
「お召し上がり下さい。」
客はそれをひと通り読むと、そっとため息をついた。
「あぁ、腑に落ちました。思ったよりつまらないんですね。」
材料として本を持っていくと、客の要望に応じて調理してくれるのだ。
たとえば
「この哲学書を調理してくれ。生だとカタくて読めないんだよ。」
という客には、
「水増ししてよく煮込みました。量は多くなりましたが、噛み砕きやすくなっております。」
また、
「この本は量が多すぎて読みきれないんだ。」
という客には、
「おいしいところだけ残してカットいたしました。醍醐味は味わえるかと思います。」
そんなコックのもとにこんな客が訪れた。
「この小説、結末の意味がよく理解できないんです。読んでも喉に詰まるような感じがして、どうもひっかかる。うまく調理してくれませんか。」
コックはしばし悩んでから、調理しはじめた。
「お召し上がり下さい。」
客はそれをひと通り読むと、そっとため息をついた。
「あぁ、腑に落ちました。思ったよりつまらないんですね。」
ファンタジー
公開:18/01/29 21:19
更新:18/01/29 22:09
更新:18/01/29 22:09
Twitter @2r96
ログインするとコメントを投稿できます