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「お姉さん。これを買わないかい」
通勤中、しわくちゃの爺さんに突然呼び止められた。
爺さんの手の上には、何の変哲もないリンゴが乗っかっている。
しかも、一口かじった跡がある。
「特別に、1つ1万円でどうだい」
「はあ?馬鹿にしてんの」
「ふひゃひゃ。ただのリンゴではない。なんと!かのX野X郎がかじったリンゴだ。価値が判る者にだけ売ってやっとるんだ」
X野X郎といえば、人気絶頂の俳優だ。
本当ならば、10倍出しても欲しがるファンもごまんといることだろう。
「うーん、でも、証明するものはないんでしょ?」
「悩んどるね。値段で悩んだら買うのが正解」
それもそうだな。
私は100円玉を爺さんに投げつけ、リンゴをぶん取った。
「何をするッ!あと9900円足りんぞッ!」
「その100円玉は、かの人気絶頂の女優、Y山Y美が触った100円玉だよ。価値が判る奴にだけ払ってあげてんだ」
通勤中、しわくちゃの爺さんに突然呼び止められた。
爺さんの手の上には、何の変哲もないリンゴが乗っかっている。
しかも、一口かじった跡がある。
「特別に、1つ1万円でどうだい」
「はあ?馬鹿にしてんの」
「ふひゃひゃ。ただのリンゴではない。なんと!かのX野X郎がかじったリンゴだ。価値が判る者にだけ売ってやっとるんだ」
X野X郎といえば、人気絶頂の俳優だ。
本当ならば、10倍出しても欲しがるファンもごまんといることだろう。
「うーん、でも、証明するものはないんでしょ?」
「悩んどるね。値段で悩んだら買うのが正解」
それもそうだな。
私は100円玉を爺さんに投げつけ、リンゴをぶん取った。
「何をするッ!あと9900円足りんぞッ!」
「その100円玉は、かの人気絶頂の女優、Y山Y美が触った100円玉だよ。価値が判る奴にだけ払ってあげてんだ」
その他
公開:18/01/27 22:24
バッドエンドが好き。
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