君の瞳は100万あまり

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「あの、X子さん。いったい僕の、ど、どこが良くてOKしてくれたの?」

X子さんと僕が付き合い始めて一ヶ月が過ぎたが、未だに僕は夢を見ている心地だ。
なにしろX子さんは同じ大学内で一際綺麗で目立つ人で、僕はその真逆の存在だ。

「即答できるよ。貴男のその瞳。どの人より澄んでいて、すぐに惹かれたの」

僕の目が褒められるようなものだなんて、自分でも知らなかった。

突然X子さんは、僕との距離を詰めた。
彼女の柔らかな両手が、僕の頬を包んだ。
こ、これは、もしかして。

このような時は目を閉じるものと聞いていたが、彼女の両目は僕を見つめたままだ。
僕の方はどうしよう、と考えていたが、そんな迷いは瞬時に消え去った。

「なーんだ。2つ合わせても、この星の通貨で103万円ぽっちか。宇宙ネットオークションの相場も下がったなあ」

僕がX子さんを見る術は、X子さんに奪われてしまったので。
ホラー
公開:18/01/22 00:26

ロジカ

バッドエンドが好き。

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