平穏を願う彼のルーティン

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昨夜セットした7:00のアラームで目を覚ます。液体歯磨きを口に含んだまま小用をして、冷たい水で顔を洗い、きっかり1分焼いたトーストにはホットコーヒーを添える。
ネクタイをダブルノットで結び、左足から靴を履いて家を出る。
一連の行動を毎日必ず行うのは、一日を平穏無事に過ごすためだ。それまでは、上司や客に毎日怒られていた。たまたま怒られなかった日の行動を思い出し、同じように動くようにしている。
通勤の車の中でもそれは続く。
左車線を走り、二つ目の信号を曲がる。進入待ちの車は必ず入れる。その親切が返ってくると信じているからだ。
今日はいつもよりそんな車が多いが、全部入れる。
全ては、平穏無事な一日のため。

会社に着くと、課長に呼ばれた。
「また今日も遅刻か。いい加減、気持ちを入れ替えてくれ」
席に戻り、ほっと一息。
これで今日も無事に過ごせる。
そう、課長の小言までが彼のルーティンなのだ。
その他
公開:18/01/28 22:42

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