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祖母の遺品整理をしていて「ひとさし」と書かれた細長い桐箱を見つけた。蓋を開けると「これにて測るは物の尺ではなし。人と人との尺を測りて候。これをひとさしといふなり」の書付とどう見ても「普通の竹尺ものさし」が入っていた。洋裁が趣味の私はそのものさしを貰うことにした。
休日に洋裁仲間が遊びにきてものさしを見つけた。
「えー、今時珍しいね!ちょっと貸して」と手を伸ばす。はいと手渡した瞬間、クンっと彼女との距離が縮まった。驚いて身を引くと「やだー。いじわるー」と笑っている。
相手は気づいていないようだが本当にひとさしだったのだ。
ふと距離を測ってみたい人で最近通っている洋食屋さんのマスターが思い浮かんだ。まぁ、彼にとって私はただのお客さんだろうけど。
面白い物があると兄にひとさしの話をするとこう返ってきた。
「へぇ、今度推しのお渡し会で俺も試してみよう」
しまった。オタクに言うんじゃなかった。
休日に洋裁仲間が遊びにきてものさしを見つけた。
「えー、今時珍しいね!ちょっと貸して」と手を伸ばす。はいと手渡した瞬間、クンっと彼女との距離が縮まった。驚いて身を引くと「やだー。いじわるー」と笑っている。
相手は気づいていないようだが本当にひとさしだったのだ。
ふと距離を測ってみたい人で最近通っている洋食屋さんのマスターが思い浮かんだ。まぁ、彼にとって私はただのお客さんだろうけど。
面白い物があると兄にひとさしの話をするとこう返ってきた。
「へぇ、今度推しのお渡し会で俺も試してみよう」
しまった。オタクに言うんじゃなかった。
その他
公開:18/01/17 18:30
更新:18/02/15 17:01
更新:18/02/15 17:01
ご無沙汰しておりました。リハビリ中につき日記のようなものしか出ませんがよろしくお願いいたします。
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