ボーンカラー

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「聞いて。ついに染めたの」

嬉しそうに言われても、伯母の頭は以前と同じく白髪混じりのままだ。
ヘアカラーをしているようには見えない。

「もう色落ち?いい美容院紹介しようか?」
「あらやだ、髪じゃないわ。私がやったのはこれ」

『見えない所の究極のお洒落・ボーンカラー』

チラシには、色とりどりのガイコツ模型が並んでいた。
赤・青・黄色に、水玉に花柄になんでもござれだ。
なんと骨に染料を注入して、好きな色柄に染められるらしい。

保守的な伯母がそんな物に手を出すなんて、意外も意外だ。
骨を染めるなんて怖いけど、身体に害はないそうだし伯母が楽しんでいるなら私も嬉しい。

「凄いじゃん伯母さん!どんな色の骨にしたの?と言っても見られないか」
「あら、今年中には見られるわよ。私の好きなピンクのバラ柄。この人のをやったんだもの」

病室のベッドに臥せる伯父の目の前で、伯母は少女のように笑った。
ホラー
公開:18/01/17 00:17

ロジカ

バッドエンドが好き。

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