一月の少女

キレイな少女に会った。
名前も知らないオンナノコだった。後ろから盗み見ると、なんともいえぬ美しい鼻梁をしていた。長い髪を黒いゴム(シュシュ)で縛っていた。
綺麗な少女は、ふり返って僕を見てくれた。笑みが、降りつもる雪を全部溶かしそうになった。
僕たちはちょっとだけ話をした。
別れぎわに、彼女はこっそりと僕に言った。黒いゴムは外されていた。
「わたし小六なんです」
そんな重大な秘密をなぜ僕に打ち明けるのだろうとドキドキしたが、

悪い気はしなかった。