善意の傘
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当然の如く残業をこなし、電車に揺られ、最寄りに着いた。
「急に降ってきたな……」
駅舎を出た俺は独り言を漏らす。ゲリラ豪雨と鉢合わせたらしい。
健康のため駅から家までは歩いているが、今日は傘を持っていない。
バスかタクシーを、と思い翻った視界の隅にあるものを捉えた。
"善意の傘"
今日のような雨の日に借りることができる置き傘のことなのだが、この傘往々にして返されない。
落とした財布がそのまま返ってくる日本で、全く不思議なことだと思う。
「今日はこれ借りて、朝返しに来よう」
俺はそうはならないと決心し、傘の一本を手に取る。
すると、急に色々なことに腹が立ってきた。今日の残業に、年寄りに席を譲ったことや募金に入れた小銭にさえもだ。
「なるほど人の善意を奪う傘か。道理でみんな返さないわけだ」
きっと俺も返さないのだろう。
もちろん、このことを誰かに教えてやる気もさらさらない。
「急に降ってきたな……」
駅舎を出た俺は独り言を漏らす。ゲリラ豪雨と鉢合わせたらしい。
健康のため駅から家までは歩いているが、今日は傘を持っていない。
バスかタクシーを、と思い翻った視界の隅にあるものを捉えた。
"善意の傘"
今日のような雨の日に借りることができる置き傘のことなのだが、この傘往々にして返されない。
落とした財布がそのまま返ってくる日本で、全く不思議なことだと思う。
「今日はこれ借りて、朝返しに来よう」
俺はそうはならないと決心し、傘の一本を手に取る。
すると、急に色々なことに腹が立ってきた。今日の残業に、年寄りに席を譲ったことや募金に入れた小銭にさえもだ。
「なるほど人の善意を奪う傘か。道理でみんな返さないわけだ」
きっと俺も返さないのだろう。
もちろん、このことを誰かに教えてやる気もさらさらない。
その他
公開:17/12/15 04:33
大学生。楽しいことを思いつくと嬉しい。
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