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「いいバイトがあってさ」
友達のアヤに誘われて訪れたのは郊外の古びた工場だった。
中には長髪の女子たちが何列にもなり並んでいた。そして列の先を見たわたしは目を見開いた。
先頭の女子が後ろ向きに正座して、機械の中に髪を通す。すると髪がキュッと結ばれて、根元からバッサリ切り落とされる。それが繰り返されていたのだ。
「ここ、ポニーテール工場なんだ。マニア向けに女子を雇って大量生産してるわけ。1回3万も貰えるよ」
その日から、わたしもこのバイトに手を染めた。髪のためにワカメを食べたり、トリートメントでケアしたり。育毛剤なんかも使いながら、髪が伸びては工場に行って小遣いを稼いだ。
さらにそのうちアヤが妙案を思いつき、わたしたちは2倍の小遣いを手に入れられるようになる。
「あいつら、全然気づかないね」
アヤは嘲る。髪を左右で束ねてツインテールにし、一度に2本のポニーテールをつくりながら。
友達のアヤに誘われて訪れたのは郊外の古びた工場だった。
中には長髪の女子たちが何列にもなり並んでいた。そして列の先を見たわたしは目を見開いた。
先頭の女子が後ろ向きに正座して、機械の中に髪を通す。すると髪がキュッと結ばれて、根元からバッサリ切り落とされる。それが繰り返されていたのだ。
「ここ、ポニーテール工場なんだ。マニア向けに女子を雇って大量生産してるわけ。1回3万も貰えるよ」
その日から、わたしもこのバイトに手を染めた。髪のためにワカメを食べたり、トリートメントでケアしたり。育毛剤なんかも使いながら、髪が伸びては工場に行って小遣いを稼いだ。
さらにそのうちアヤが妙案を思いつき、わたしたちは2倍の小遣いを手に入れられるようになる。
「あいつら、全然気づかないね」
アヤは嘲る。髪を左右で束ねてツインテールにし、一度に2本のポニーテールをつくりながら。
ホラー
公開:17/12/15 00:02
更新:17/12/15 20:29
更新:17/12/15 20:29
秦佐和子
中西優香
イベント
1987年、愛媛県生まれ。東京大学工学部、同大学院工学系研究科卒。現代ショートショートの旗手として執筆活動に加え、坊っちゃん文学賞などにおいて審査員長を務める。また、全国各地で創作講座を開催するなど幅広く活動している。17年には400字作品の投稿サイト「ショートショートガーデン」を立ち上げ、さらなる普及に努めている。著書に『海色の壜』『おとぎカンパニー』など多数。
◆公式サイト:http://masatomotamaru.com/
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