梅星（うめぼし）

報告。惑星Sでの滞在７日目。

人類の新たな転地を求めこの惑星を探索し始めたが、やはり移住は難しい。確かにこの星の空気は地球と似ていて呼吸できるし、平均気温も亜熱帯気候に近く温かい。

しかし決定的な問題がある。この星は核が巨大で、重力が地球よりずっと大きくて、生身で外に出ることなんてできない。

それに大地も、水分の多い膜状のものでできていて、とても柔らかいから建築物も建てられない。農作物を育てても根が張らないし、歩くなんてもってのほかだ。

人工知能ロボットSHORTに土を分析させてみたが、構成成分がナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど。phが1.9とかなりの酸性で、これはさながらニホンの『ウメボシ』だ。

以上の理由から人類の移住は不可能と断定できるだろう。星の土がライスと食べてうまいのは魅力だがね。