相槌の音

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「でね、でね、それでね!!」
食べるか喋るかのどちらかにしてほしいなぁと思いながら、私は、出し忘れていたきんぴらごぼうを取りに行き、テーブルの上に置いた。彼は夕飯を食べながら、旅の記録を漏らすことなく私に聞かせている。

うんうん。へー!それで?なるほど。
私は相槌を打ちながらきんぴらごぼうを口に放り込む。咀嚼すると「ボリボリ」という小気味いい音が鳴った。ゴボウの繊維が崩れる音は私の頭蓋骨に響いて、こめかみの辺りで反響した。

ボリボリ、ボリボリ、ポリッ、ボリボリ
「ねぇ、聞いてる?ここからがいいところ!」
あぁごめんごめんと私は謝るが、これがどうしたもんか、なかなか頭の中からゴボウの音が消えてくれない。

ボリボリボリボリボリボリ...もはや、彼がなんと話しているのか全く聞こえなくなってしまったが、私がゴボウの音に合わせて「うんうん」と頷いてみると、彼はまた興奮気味に自分の話をし始めた。
その他
公開:17/11/27 01:40
更新:17/11/27 01:41

ぶるーむーん

通りすがりの鼻歌シンガー

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