遺伝子レベルの赤い糸

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SNSの友人の結婚式の写真にいいねを押しながら、女の幸せについて考えた。29歳の誕生日を迎えた私は、出会い系アプリに登録することにした。遺伝子レベルで相手を紹介してくれるという。

友人や職場の人に知られないように登録には偽名を使った。年齢は2つサバを読んだ。プロフィール写真はウサギの耳とヒゲをつけて撮った。

ひとりの男性と連絡を取るようになった。少し年上の物腰の柔らかな人だった。写真は若い頃の父に似ていて好感が持てた。同じ中学校の出身だと分かり、共通点の多さに意気投合し、次の土曜日にデートの約束をした。

仕事帰りに新しい赤色のワンピースを買った。休みの日に美容室とネイルサロンへ行った。

デート当日、「赤いタートルネックです」と連絡が来て、好きな色も同じなことに運命を感じた。

待ち合わせの場所についたが、私はそこで赤のタートルネックのセーターを着た実の父親と対面することとなった。
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公開:17/11/16 01:20
更新:18/06/01 18:55

ぱせりん( ひろしま )

北海道出身です。

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